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お岩稲荷のおめでたい縁起

所在地東京都新宿区左門町(お岩稲荷)
年代不明(岡本綺堂の異説)
登場田宮某夫婦とお岩、岡本綺堂、田宮伊右衛門、異説の紹介者、怪談側の夫
出典日本怪談集 幽霊篇

どんな伝承か

四谷左門町の田宮家をめぐる怪談は、夫が妻のお岩を欺いて死に追いやり、その亡霊が一族と関係者を滅ぼす筋で知られる。だが岡本綺堂は、まるで違う言い伝えを挙げている。貧しさから夫婦は一度別れてそれぞれ奉公に出た。お岩は給金を貯める一方、奉公先の屋敷にあった稲荷へ毎日詣で、また夫と暮らせるようにと願った。事情を知った主人が世話を焼き、二人はもとどおりになる。お岩は神徳に感謝してその稲荷を自邸へ迎え、朝夕拝んだ。参拝したいと望む者にも快く門を開いたので、名のなかった社はいつしかお岩稲荷と呼ばれるようになったという。綺堂は、縁起そのものは終始めでたいのに、講釈師や狂言作者が勝手な怪談へ仕立てたのだと説く。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・1969年(昭和44年))

『日本怪談集 幽霊篇』は、今野圓輔が昭和四十四年に編んだ幽霊体験談の集成である。新聞・雑誌・単行本や民俗の報告、編者自身の採集から、影や物音、人魂、生霊、死の知らせ、皿屋敷、戦死者の霊、船幽霊、タクシーに乗る幽霊など、日本各地の人びとが見聞きした怪異を、作家の創作を除き原文を尊重して再録する。十章に分けて各章の頭に編者の解説と注を置き、巻末に産女や子育て幽霊を論じた「幽霊外伝」と木原浩勝の解説を付す。

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