鍋墨の怪・死人が生まれ代わる(北越奇談)
どんな伝承か
死を悲しみ、再び生まれ代わるようにと死体に墨で印や文字を書いて葬ると、次に生まれた子に同じような印や文字が現れるという。明治四十三年、岐阜県竹の鼻町の国島兵助夫妻が生んだ子にも「文」の字が現れて大騒ぎになり、当時の岐阜日々新聞に掲載されたそうである。また関谷村大島の農家では、生まれて三日で死んだ孫を悲しんだ老母が、指三本に茶がまのすす墨をつけて死んだ子の腹に塗って埋葬したところ、一年ほどのちに生まれた赤子の腹に三つ指の跡が黒くつき、十歳ごろまで消えなかったと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
お化けと幽霊(大高興・1978年(昭和53年))
『お化けと幽霊』は、大高興が昭和五十三年に青森市の北の街社から出した、お化けと幽霊と心霊現象の解説書である。仮死からの蘇生の話や霊魂論に始まり、青森県内で撮られた心霊写真の実例、こっくりさんなどの霊界通信法、天狗・寝太り・鎌鼬などに出会った話、幽霊の存在説と否定説・分類・人相学、人魂までを扱う。問答の形でお化けを語る節や観察と記録の手引きを交え、巻末に五十音順の心霊用語集を付す。