足の裏に文の字を持って生まれた男児
どんな伝承か
明治四十三年、岐阜県羽島郡竹の鼻町の国島兵助の妻が男の子を産んだところ、その足の裏にはっきりと「文」の字が浮かんでいたため評判になり、岐阜日々新聞に載った。富山県の新聞がこれを転載すると、富山県福光町で小学校の教員をしていた佐々木玉枝が国島家を訪ねてきた。長女の文子を亡くしたとき、生まれ変わりを願って足の裏に「文」と書いて葬ったので、ぜひその子を見せてほしいという。国島はためらったが熱意に負けて家に通した。男女の違いはあっても顔立ちは文子に生き写しで、足裏の字も同じだったため、人々は文子の再生を疑わなかったという。
原典より
そして足の裏の字もまったく同じだったので、これを聞いた人々は文子の再生を疑わなかった。—— お化けについてのマジメな話(平野威馬雄・1974年(昭和49年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
お化けについてのマジメな話(平野威馬雄・1974年(昭和49年))
『お化けについてのマジメな話』は、平野威馬雄が昭和四十九年に著した幽霊とお化けをめぐる随筆である。自ら主宰する「お化けを守る会」に寄せられた体験談や、大阪の毎日放送のラジオ番組で聴取者が電話で語った話を軸に、前世や霊媒・降霊実験など海外の心霊研究、井上円了の妖怪論、古い記録に見える犬神などの憑きものを取りあげる。体験談から死後の世界、お化けを呼ぶ方法、昔のお化けへと進む八章立てで、巻末にあとがきを置く。