倉吉の実演で銅貨を言い当てた透視者
どんな伝承か
大正五年、透視者の三田某が鳥取県倉吉町で透視の公開実演をした。地元の中学校の教諭が洋服のポケットから五十銭銀貨を握り出して何かと問うと、三田は明治十四年製の二銭銅貨だと答えた。教諭が違うと言って手を開くと、自分の思い違いで、握っていたのはまさに透視されたとおりの物だった。またそのころ松江中学で、木箱に入れた繭を透視させると蝶だと答え、生徒たちに失敗と笑われたが、透視者は繭の中の蝶を見ていたのだという。
原典より
同地の中学校教諭が、洋服のポケットから一個の五拾銭銀貨を握り出して何物なりやと問ふたら、明治十四年製造の二銭銅貨だと答へ—— 幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談)
『幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵』は、岡田蒼溟による霊怪の事例集である。祟る石、出雲の瀧姫行者、神西湖の妖怪、但馬の抜け首、黄金の精、海の牛鬼、天狗などの怪異を、著者自身の見聞や知人の談話、古い文書からの移載によって集め、明治・大正期の出雲や松江周辺の事例を多く含む。項目によっては【解題】や註を添え、事例の後に「第二編」と附録の「天狗考」を続け、巻末の「解説の欄」で生霊・疫神・物体の飛来などを心霊研究の立場から論じる。