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瀧姫の滝で霊力を得た女行者

所在地島根県出雲市白石(瀧姫の瀧)
年代大正
登場田中善兵衛、サヨ、体験者、伝承者、瀧姫行者サヨの夫、瀧姫行者(瀧姫さん)
出典幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵

どんな伝承か

出雲大社の南、山あいの白石という集落に、瀧姫さんと呼ばれる女行者サヨがいた。大正十二年四月、村の老婆が近くの瀧姫の滝に腰痛の平癒を祈ると、滝に打たれて水行する者に霊力を授けると夢で告げられ、それを聞いたサヨが夫の善兵衛の許しを得て朝夕滝に打たれ始め、やがて神が憑いて病を治し吉凶を告げるようになった。水行中、五十五尺のつるつるの岩壁を両手を吸い付けるようによじ登り、空を踏むように背から降りたこともあるという。滝つぼの平岩を踏むと腹痛などの罰が当たるともいわれた。

原典より

一日水行中、俄然亢奮して身を起しさま、守宮が土壁を這上る恰好で、兩手の掌を岩壁面に附けて、五十五尺の巔邊に攀登をしたときには、彼女の掌は動物の吸盤作用が起つたものゝ如しであつた。—— 幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談)

『幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵』は、岡田蒼溟による霊怪の事例集である。祟る石、出雲の瀧姫行者、神西湖の妖怪、但馬の抜け首、黄金の精、海の牛鬼、天狗などの怪異を、著者自身の見聞や知人の談話、古い文書からの移載によって集め、明治・大正期の出雲や松江周辺の事例を多く含む。項目によっては【解題】や註を添え、事例の後に「第二編」と附録の「天狗考」を続け、巻末の「解説の欄」で生霊・疫神・物体の飛来などを心霊研究の立場から論じる。

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