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神西湖の主に七年取り憑かれた寡婦

所在地島根県出雲市湖陵町差海(神西湖)
年代大正
登場サヨ、体験者、伝承者、見破った女行者
出典幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵

どんな伝承か

神西湖のほとりの差海村に、石飛ナカという四十歳ほどの寡婦が一人で暮らしていた。大正五年の夏から、夜ごと肩を揺する癖のある生臭い若い男が忍んで来るようになり、晴れた夜には小舟がひとりでに湖の真ん中へ出て、ナカは男の求めるままに歌い続けた。三升の飯を水際に置けば見えない何かが平らげた。怖くなって男を遠ざけると、腰を締め付けられる奇病に七年も苦しんだ。大正十二年、瀧姫の行者サヨに体の長さ七尺の湖の主と見破られ、滝に打たれたあと神前で男の癖そのままに舞い泣いて倒れ、病は消えたという。

原典より

やがて舟は湖心に達するとピタリと停って動かなくなった。—— 幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談)

『幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵』は、岡田蒼溟による霊怪の事例集である。祟る石、出雲の瀧姫行者、神西湖の妖怪、但馬の抜け首、黄金の精、海の牛鬼、天狗などの怪異を、著者自身の見聞や知人の談話、古い文書からの移載によって集め、明治・大正期の出雲や松江周辺の事例を多く含む。項目によっては【解題】や註を添え、事例の後に「第二編」と附録の「天狗考」を続け、巻末の「解説の欄」で生霊・疫神・物体の飛来などを心霊研究の立場から論じる。

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