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前妻の墓へ毎夜飛来する光り物

所在地東京都江東区深川(浄満寺)
年代江戸
登場戸田左門、体験者、伝承者、美濃大垣侯(当事者の主君)
出典幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵

どんな伝承か

享保七年、美濃大垣侯戸田左門の江戸住みの家士某が、妻に死なれたのち芝の浜町方面から銀という女を後妻に迎えた。ある日土用干しをすると、美事な女の筆跡で歌書などを写したものが出た。銀が誰の書かと尋ね、前妻のものだと聞くと、さぞ賢い方だったのだろう、包まず話して聞かせてほしいと言う。良人はつい口を滑らせて前妻の美点を並べ、銀は黙って溜息をついた。その後、銀は病がちになって衰え、親里へ養生に出されたが先が案じられるほどになった。そのころ旦那寺である深川の浄満寺から使いが来て、毎夜西の方から光り物が飛来して前妻の墓の上で消え、同時に墓の内が鳴動すると告げられたという。

原典より

享保七年、美濃大垣侯戶田左門の江戸住みの家士某は妻に死なれてから芝の濱町方面から後妻として銀と云ふ女を娶ったが、或る日土用干をしたところ、美事な女の筆蹟で歌書などを寫したものが出た。—— 幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談)

『幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵』は、岡田蒼溟による霊怪の事例集である。祟る石、出雲の瀧姫行者、神西湖の妖怪、但馬の抜け首、黄金の精、海の牛鬼、天狗などの怪異を、著者自身の見聞や知人の談話、古い文書からの移載によって集め、明治・大正期の出雲や松江周辺の事例を多く含む。項目によっては【解題】や註を添え、事例の後に「第二編」と附録の「天狗考」を続け、巻末の「解説の欄」で生霊・疫神・物体の飛来などを心霊研究の立場から論じる。

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