粟原寺の人夫が呼ぶ国道の事故
どんな伝承か
この土地を通る国道一六五号線は、とりわけ事故の多い所だという。昔、粟原寺が栄えていたころ、寺のために働いた人夫が大勢亡くなり、その人たちが埋められた場所で事故が起きるのだと言われている。語り手の息子もそこで急にハンドルがきかなくなり、谷へ転落した。寺が盛んだった時代に亡くなった人を丁寧にまつらなかった報いだとされ、村では霊を慰める方法を相談しているという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 偽汽車(松谷みよ子・現代民話考(ちくま文庫)・2003年(平成15年))
『現代民話考――偽汽車』は、松谷みよ子が編んだ『現代民話考』全十二巻の第三巻で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。鉄道開通のころ狸や狐が汽車に化けたという偽汽車の話、船幽霊や幽霊船など海の怪談、タクシーの幽霊など自動車や列車の怪談と笑い話を、全国の回答者の聞き書きや新聞・雑誌・書籍から集める。三章それぞれの冒頭に考を置き、話ごとに本文と分布を並べて地名・話者・出典を添える。