床下へ鉄砲を撃つ狐つき
どんな伝承か
祖母島に伝わる狐つきの話である。語り手が若かったころ、近所の人が狐に憑かれた。当人は俺は狐つきになった、いま山からおりて来た、などと脈絡のないことを大声でわめき、かと思えば泣きだした。この土地では狐に憑かれた者の家は床下に狐が入り込んでいると考えられていたので、家族は近所の猟師を呼び、床下へ向けて鉄砲を撃ってもらった。その人が元どおりになるまでには、それから一年ほどかかったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
渋川市誌 民俗編(市史編纂シリーズ)
『渋川市誌 民俗編』は、渋川市の市誌民俗編のうち、第六章「民俗信仰」の第一節から第五節の初めまでを収めたものである。人魂・幽霊・ロクロッ首・生まれかわり・死神などの霊魂の話、手をつけてはいけない聖地や耕すと祟る忌地、オサキ使いや狐つき、神かくし、若宮八幡などのたたり、イチッコと呼ばれる巫女や祈禱師、東向き鳥居参りなどの祈願を、市内の大字ごとの聞き書きで記す。はじめにで章全体を解説し、続く節では話に見出しと採集地の大字を添える。