仏飯を食べた子を逃がした河童タケ坊
どんな伝承か
笹井のタケ坊は子供を溺れさせて腹わたを抜く河童だった。昔、盆の十六日に一人で川へ泳ぎに行った子供がいた。川には見知らぬ子が一人だけ泳いでいて、こっちへ来いと誘うので一緒に遊んだ。昼近くになり腹が減った村の子は、引き止められるのを振り切って家へ帰ったが誰もおらず、仕方なく仏壇に供えてあったご飯を食べて川原へ戻った。すると先ほどの子が怖い顔で何を食ってきたと問い、仏さまの飯だと答えると、そんな奴とは遊ばないと言って淵に潜り、二度と出てこなかった。河童は線香の匂いを嫌う。仏飯に線香の匂いが染みていたおかげで、その子は助かったのである。
原典より
笹井のタケ坊もよく子供を溺れさせ、腹わたを抜いた。—— 狭山市史 民俗編(狭山市(狭山市史編さん室/民俗調査担当)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
狭山市史 民俗編(狭山市(狭山市史編さん室/民俗調査担当))
『狭山市史 民俗編』は、狭山市の市史のうち民俗を扱う巻で、ここにはその「五 伝説・昔話・世間話」の部分が収められている。堀兼・入間・奥富・柏原・水富・入間川の各地区で古老の座談会と個別の聞き取りによって集めた話を、話者の地区・名・生年を添えて載せ、不老川や堀兼の井、影隠地蔵、キツネ、豪商綿貫家の話などを含む。伝説は水・動物・植物・地名・人物・塚・神仏・地蔵・妖怪変化など十項に分け、話ごとに[解説]を付す。