染賃を払わぬカラスに怒るニワトリ
どんな伝承か
昔、ニワトリが紺屋職人で、カラスがお客であった。ある日、カラスが「色よく染めておくれ」とたのんできたので、ニワトリはまっ黒に染めてやった。ところがカラスは染賃を払わずに行ってしまった。ニワトリは怒り、カラスが飛ぶのを見ると「コケコッコー!」とときの声をあげ、染賃を早く払えとさわぐのだという。全国各地ではニワトリではなくて梟になっており、「梟紺屋」の類話にあたる。奥富は川越藩の穀倉地帯といわれ深い山らしいものがなく梟も少なかったので、身近なニワトリに転訛したのではないかと解説されている。
原典より
昔ね、ニワトリが紺屋職人で、カラスがお客でね。—— 狭山市史 民俗編(狭山市(狭山市史編さん室/民俗調査担当)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
狭山市史 民俗編(狭山市(狭山市史編さん室/民俗調査担当))
『狭山市史 民俗編』は、狭山市の市史のうち民俗を扱う巻で、ここにはその「五 伝説・昔話・世間話」の部分が収められている。堀兼・入間・奥富・柏原・水富・入間川の各地区で古老の座談会と個別の聞き取りによって集めた話を、話者の地区・名・生年を添えて載せ、不老川や堀兼の井、影隠地蔵、キツネ、豪商綿貫家の話などを含む。伝説は水・動物・植物・地名・人物・塚・神仏・地蔵・妖怪変化など十項に分け、話ごとに[解説]を付す。