御船千鶴子の千里眼
どんな伝承か
熊本の松合村(現・宇城市)に住む御船千鶴子は、兄・清原猛雄が明治三十六年頃から催眠術を稽古し、その催眠と深呼吸による無我の修養を通じて千里眼を得たとされる。明治四十一年七月頃、深呼吸を十日ほど続けたある日、庭の縁側から梅の立木を見て「梅の木に虫がいる」と言い、皆が皮を剥ぐと樹皮の下に二分ほどの虫がいた。また海に落とした金の指輪も、無我の境で海を見つめると砂と貝の下の在処が見えた。兄は熊本市の自宅に呼び寄せて試験し、状袋に入れた文字や名刺の氏名をほぼ言い当てた。福来友吉博士は井芹済々黌校長の紹介で二月に通信実験を行い、錫箔で覆った名刺までも透視されて驚愕した。
原典より
* 姉妹の千里眼* 千里眼の理論と實際* 催眠術と千里眼の關係* 悟性・覺性* 千里眼の修養* 千里眼と無念無想* 神通力、天眼通* 千里眼は小供でも出来る—— 千里眼獨習(神秘術研究會) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
千里眼獨習(神秘術研究會)
『千里眼獨習』は、神秘術研究會が著し、盛報館から出た千里眼の独習書である。密封した書状を読んだ下婢の話やスウェーデンボルグが遠方の火災を知った話、御船千鶴子の透視実験など内外の事例を挙げ、千里眼の理論、催眠術との関係、意志・感情・身体の修養による練習法を説く。例言と内容目次に続く十六項目の本文に、手・爪・顔の部位から人の性質や吉凶を見る付録「人生豫言術」を添える。