野老沢の木賃宿に住む乞食
どんな伝承か
西会津町の面倉で会った女性が生まれたのは、河沼郡柳津町飯谷の麻生である。只見川左岸沿いの集落で、昭和四十八年頃までは対岸の沼田街道へ渡し舟で往復するのが普通であり、只見川最後の渡しとして知られていた。野老沢は、そこから只見川を三キロばかり下った、やはり同じ左岸の集落である。経営者の母親が変装しておもらいに出ていたという木賃宿は、この村にあった。その宿には乞食たちがたくさん住んでいたといい、縄張りをめぐって喧嘩をすることもあったと語られている。木賃宿がどのような宿泊施設であったかは、いまでは知る人も少ない。
原典より
第6章 悲劇を伝える二つの小地名谷川岳南麓に暮らして狩猟罠「オス」を仕掛けていたころ誤ってオスに入り圧死した旅芸人自ら仕掛けたオスに敷かれて死ぬ「円次さんのことは聞いています」第7章「猿は猟師に命乞いをする」は本当か—— 村の奇譚 ― 里の遺風(筒井功・民俗・地誌・現代) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
村の奇譚 ― 里の遺風(筒井功・民俗・地誌・現代)