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旅籠屋についてきた姪の霊

所在地福島県河沼郡柳津町大字柳津
年代江戸〜近代
登場甚六、フジ、姪を虐待した百姓、凍死した姪
出典日本の怪談

どんな伝承か

奥州の某処に甚六という冷酷な百姓がいた。姉が死んで残された十二、三のフジを引きとったが、犬同然に虐げ、品物が無くなったのはフジの仕業だと言って裏の栗の木に縛りつけ、寒い冬の夜も放っておいた。夜が明けるとフジは凍え死んでおり、甚六は野原へ捨てるように埋めた。まもなく、無くなったという品物は出てきた。年が明けた元日、持仏堂が鳴り出して位牌や瓦盃が飛び、フジの姿が夢とも現ともなく夫婦の目に見えた。山伏に祈禱を頼めば須弥壇が動き錫杖が飛んで、山伏も逃げ出した。甚六が柳津の鎮守に祈願を籠めた帰り、岩坂の旅籠屋に入ると、主翁が膳を二つ持って来て、十二、三の痩せた女の子が一緒に入ったと言った。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本の怪談(田中貢太郎・河出文庫・1985年(昭和60年))

『日本の怪談』は、田中貢太郎の怪談を昭和四十五年桃源社刊『日本怪談全集』から抜き出した文庫本で、昭和六十年十二月に河出書房新社から発行された。「宝蔵の短刀」「八人みさきの話」など土佐の城下や村の話をはじめ、江戸・京・吉野などを舞台にした幽霊・狐狸・猿・魔物の話を、会話の多い語り口で収める。二十七篇の後に尾崎秀樹の解説を付し、高知に生まれた作者の生涯と怪談・妖異譚への傾倒をたどっている。

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