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十田の氷室天神社に伝わる氷の休み場

所在地高知県吾川郡いの町下八川十田(氷室天神社)
登場一九三七年生まれの住民男性
出典村の奇譚 ― 里の遺風

どんな伝承か

高知県いの町下八川の十田には、氷室天神社という神社がある。平成二十三年一月に著者が話を聞いた土地の男性(一九三七年生まれ)は、父親から伝え聞いたこととして、ここは手箱山から高知の城下へ氷を運ぶ者たちが途中でひと息入れる場所だったと語った。氷は十田の西五キロほどの大峠を越え、村の上を通る尾根道をたどって、東へ八キロほどの中追へ抜けたという。本で得た知識ではないと男性は言い添えた。同じ運搬路の途中の村々もそろって氷室天神社を氏神としている。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

村の奇譚 ― 里の遺風(筒井功・民俗・地誌・2018年(平成30年))

『村の奇譚 ― 里の遺風』は、民俗研究者の筒井功が平成三十年に著した民俗探訪記である。修験の里の石室、石風呂と焼き石湯、山中の贋金づくり、箕作りの集団や天幕部落、岩窟に暮らした非定住民、猿と猟師、氷室と風穴、産屋、墓制、安倍晴明の墓、狐憑きと犬神など、各地の村に残る習俗と伝承を、聞き取りと文献の両面からたどる。全十三章で、昭和三十年前後の高知市での見聞から説き起こし、「おわりに」では別の出版社で刊行が見送られた経緯を記す。

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