火事を告げる火柱と清めの酒
どんな伝承か
山形県東村山郡山辺町に伝わる話。部落の中に火柱が立つのは、どこかの家が火事になる前兆だといわれている。だから火柱を見た人は、すぐに部落の者に教えることになっている。知らせを受けると、部落の女子衆たちがそろって同町大寺部落にある古峯原様へお参りに行く。酒を持って行って供え、その酒をその場で飲む。これを清めの酒といい、部落に火事が起こらないようにと願うのである。こうしたことが年に四、五回はあったと、大正十四年生まれの三浦一男が語っている。
原典より
―――火事の前兆現象————山形県東村山郡山辺町における話で、話者は同町の三浦一男氏(大正十四年生まれ)。—— 怪異雑考2-本所七不思議(高橋敏弘・西郊民俗・1988年(昭和63年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
怪異雑考2-本所七不思議(高橋敏弘・西郊民俗・1988年(昭和63年))
『怪異雑考2-本所七不思議』は、高橋敏弘が昭和六十三年に著し、『西郊民俗』第百二十五号に載った小論である。江戸本所に伝わる七不思議として、足洗い屋敷、片葉の葦、狸囃子、送りちょうちん、あかり無しそば、置いてけ堀、津軽家の太鼓を取り上げ、怪異の中身と伝承地を短く記す。各項に番号を振って並べ、末尾で七不思議が人から人へ伝わるうちに広まった事情を考え、あとに木村博の小文「『火柱』が立つ話」が続く。