京都の空に現れた怪しい火柱
どんな伝承か
昭和四年二月十一日午後六時三十分ごろから、京都では東南約三十度の空に淡い色をした怪しい火柱が現れた。火柱はおよそ一時間半のち次第に薄れ、八時過ぎには全く見えなくなった。京大の出本一清博士は、誠に不思議な天界現象で、自分も七時前から観測をはじめたが、余程沢山な流星群が通った跡かと思われる、普通流星の光は二、三秒で消えるが大流星はまれに数分続く、しかしこんなに長く肉眼に認められるのは恐らく空前のことだろう、と語った。奇怪な火柱で、珍しい空の異変であった。
原典より
十一日午後六時三十分ごろから、京都では、東南約三十度の空に、淡い色をした怪しい火柱があらわれ、およそ一時間半ののち、その火柱はだんだん薄れて行って、八時過ぎになって全く見えなくなった。—— 日本怪奇集成-明治大正昭和篇(富岡直方 編著) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪奇集成-明治大正昭和篇(富岡直方 編著)
『日本怪奇集成-明治大正昭和篇』は、富岡直方が編んだ怪奇実話集である。明治元年から昭和七年までに各地で起きた幽霊や狐狸の怪、畸形や奇病、天変や奇瑞、世相の珍事を、当時の新聞・雑誌の記事と筆者自身の聞き書きから集めている。明治・大正・昭和の三篇に分け、話ごとに年月を掲げて通し番号を振り、新聞記事を引いたうえで紙名を末尾に添える形を基本とする。