火事を知らせた津軽家の太鼓
どんな伝承か
本所七不思議に数えられることもある話。いまの両国駅のそばにある津軽稲荷の場所が、もとは津軽家の屋敷のあったところだという。火事を知らせるために太鼓を打つことを、諸家のうち津軽家だけが許されていたと伝わる。ただし紹介者は、これといった確かな伝承は残っておらず、本来は時を知らせるために打っていた太鼓らしいと述べる。それゆえ、これを本所七不思議には入れない立場もあるのだと書き添えている。
原典より
現在の両国駅そばの津軽稲荷のあるところが、元津軽家のあった場所である。—— 怪異雑考2-本所七不思議(高橋敏弘・西郊民俗・1988年(昭和63年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
怪異雑考2-本所七不思議(高橋敏弘・西郊民俗・1988年(昭和63年))
『怪異雑考2-本所七不思議』は、高橋敏弘が昭和六十三年に著し、『西郊民俗』第百二十五号に載った小論である。江戸本所に伝わる七不思議として、足洗い屋敷、片葉の葦、狸囃子、送りちょうちん、あかり無しそば、置いてけ堀、津軽家の太鼓を取り上げ、怪異の中身と伝承地を短く記す。各項に番号を振って並べ、末尾で七不思議が人から人へ伝わるうちに広まった事情を考え、あとに木村博の小文「『火柱』が立つ話」が続く。