大蚕を当てる三島神社の夜祭の雑魚寝
どんな伝承か
群馬県多野郡西平井の三島神社の夜祭では、女と交わると繭がよくとれるという俗信があり、若者たちは大蚕を当ててくるぞと言い合って出かけた。『性神考』の鈴木繁によれば、春秋二度の夜祭のうち十一月十四日の夜が有名で、高崎から臨時のバスも出た。参詣人を泊めるオコモリヤは五十戸ほどあり、相部屋の雑魚寝で、布団は藤岡あたりから借りてきた。もとは翌朝の神輿渡御に奉仕する忌み籠りだった。神社はもと山の神だが、のちに夜泣き止めや縁結びの神となり、夜には一万人を超える若い男女が集まった。この夜の交わりでは決して妊娠しないとも信じられていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
講座日本風俗史別巻 妖異風俗((講座日本風俗史 別巻)・日本風俗史・民俗)
『講座日本風俗史別巻 妖異風俗』は、『講座日本風俗史』の別巻として、複数の執筆者が妖しく異様な風俗を論じた巻である。淫祠と性の祭礼、戦後の新興宗教、性にまつわる迷信、妖術・忍術・奇術、憑きものと特殊家系、心霊術と催眠術、異類との婚姻、性と怪異の関わりを、古典の随筆や各地の報告、事件の記録から取り上げる。九つの章に分け、終章「日本妖異風土記」では関東から九州・沖縄までの怪異譚を地方別・県別に掲げる。