葛木山に鬼神を使った役小角
どんな伝承か
日本で最初に人を惑わした術者は常世神を祀った大生部多で、次に名が挙がるのが役君小角である。『続日本紀』によれば、小角は大和の葛木山にこもって呪術を修め、鬼神を使役して水を汲ませ薪を採らせ、意に従わぬときは呪で縛りつけたという。あまりに人心を惑わしたため、六九九年に伊豆へ流された。同じころ、道鏡が百済渡来の医師小手尼とともに称徳天皇に霊狐を憑けたという伝えもあるが、これは後世の作り話らしい。ただ小角も道鏡も『孔雀王咒経』を学んだ点では共通している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
講座日本風俗史別巻 妖異風俗((講座日本風俗史 別巻)・日本風俗史・民俗)
『講座日本風俗史別巻 妖異風俗』は、『講座日本風俗史』の別巻として、複数の執筆者が妖しく異様な風俗を論じた巻である。淫祠と性の祭礼、戦後の新興宗教、性にまつわる迷信、妖術・忍術・奇術、憑きものと特殊家系、心霊術と催眠術、異類との婚姻、性と怪異の関わりを、古典の随筆や各地の報告、事件の記録から取り上げる。九つの章に分け、終章「日本妖異風土記」では関東から九州・沖縄までの怪異譚を地方別・県別に掲げる。