煮えたぎる釜で赤子を蒸すはしか除け
どんな伝承か
大阪府豊能郡能勢町(現・能勢町)では、毎年二月のウマの日に、麻疹にかからないようにと一歳未満の赤ん坊を母親が抱き、湯のたぎった釜の上で蒸すという呪術が今も行われている。神様の代理者とされるミノを着た老人が、一升徳利と木槌をぶら下げた天秤棒をかつぎ、「大安に!」と唱えながら、蒸される赤ん坊の無病息災を祈るという。
原典より
ここには毎年二月のウマの日に、ハシカにかからないようにと、一歳未満の赤ん坊が、おかあさんに抱かれて湯のたぎった釜の上で蒸すマジナイがいまでもおこなわれているからである。—— 現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年))
『現代の迷信』は、今野圓輔が昭和三十六年に著した、現代の俗信を一般の読者に向けて説いた読み物である。昭和三十年代の新聞・雑誌の報道や聞き書きを主な材料に、縁起かつぎ、前兆・占い・禁忌・まじない・願掛け、憑きもの落としの殺人や新興宗教の騒ぎまでを全国から拾い集めている。「現状」「過誤と真実」「その背景」「迷信論」の四部から成り、巻末に読者の問いに答える迷信身の上相談を付ける。