凶悪犯逮捕を願う目なしダルマ
どんな伝承か
目なしダルマは、願いがかなったときに目を入れる縁起物である。三人が殺された事件の捜査に難渋していた須賀川警察署へ、二人の市民から白目のままのダルマが届けられた。一日も早く凶悪犯を捕らえ、この目に墨を入れてほしい、という願いを託したものだった。同じころ高崎署でも、署員全員が一筆ずつ黒目を書き入れたダルマをホールの棚に据えている。縁起物であったダルマが、しだいに呪物めいた扱いへ移っていく例だと著者は見ている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年))
『現代の迷信』は、今野圓輔が昭和三十六年に著した、現代の俗信を一般の読者に向けて説いた読み物である。昭和三十年代の新聞・雑誌の報道や聞き書きを主な材料に、縁起かつぎ、前兆・占い・禁忌・まじない・願掛け、憑きもの落としの殺人や新興宗教の騒ぎまでを全国から拾い集めている。「現状」「過誤と真実」「その背景」「迷信論」の四部から成り、巻末に読者の問いに答える迷信身の上相談を付ける。