白江村の山にすみついた老猿のいたずら
どんな伝承か
福島県岩瀬郡の白江村には、土地の古老が語り伝える昔話があった。かつて村の山奥に齢を重ねた老猿がすみつき、村の百姓家にあれこれといたずらを仕掛けたことがあったという。そのときも初めは誰のしわざか見当がつかなかったが、やがて老猿の姿を見つけた者が現れて、正体が知れたと伝わる。後年、同じ村の西脇家で木の実や石が降る怪異が続いたときも、村人はこの言い伝えを思い出して猿の仕業ではないかと調べて回ったが、怪異の起こる前後に猿らしい姿を見た者は一人もいなかった。
原典より
同村の山中には其昔年経た老猿が住んで居つて、村内の農家に種々の悪戯をしたことがあつて—— 心靈寫眞の研究(大和田徳義・1920年(大正9年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心靈寫眞の研究(大和田徳義・1920年(大正9年))
『心靈寫眞の研究』は、大和田徳義が大正九年に著し、心靈寫真研究會から発行した心霊写真の研究書である。英国の心霊現象研究会をめぐる肯定説と否定説、マムラーやホドソンら欧米の心霊写真の歴史と詐術の例を紹介したうえで、日光氏の行う「靈寫」の起源と種類、特性、可能事を実例とともに述べる。後半では福来友吉と長尾夫人らの念写実験と山川博士の批判を取り上げ、靈寫と念寫の能力や価値の違いを論じる全八章の構成である。