霊写を編み出した心霊写真家日光氏
どんな伝承か
霊写とは何か、どのようにして生まれたのかを筆者は説く。これは東京府下戸塚町の高田馬場駅の近くに住む心霊写真家、日光氏が編み出したものである。冷やかし半分の訪問が煩わしいため、本書では姓を伏せてあるという。日光氏は幼い頃から並外れて鋭い直感を備え、霊媒と呼ばれる者の能力など、その一部にすぎなかった。若い時分から思想の流れを憂え、人の心が宗教から離れていくことを嘆いて、日夜どう救うかと思い悩み黙想を重ねた。肉眼では見えない心霊の実在を理学的な器械によって証明し、物質の文明と釣り合う精神の文明を育てること、それを氏は自らの事業の目的に据えたのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心靈寫眞の研究(大和田徳義・1920年(大正9年))
『心靈寫眞の研究』は、大和田徳義が大正九年に著し、心靈寫真研究會から発行した心霊写真の研究書である。英国の心霊現象研究会をめぐる肯定説と否定説、マムラーやホドソンら欧米の心霊写真の歴史と詐術の例を紹介したうえで、日光氏の行う「靈寫」の起源と種類、特性、可能事を実例とともに述べる。後半では福来友吉と長尾夫人らの念写実験と山川博士の批判を取り上げ、靈寫と念寫の能力や価値の違いを論じる全八章の構成である。