二枚の舌をもつ少女
どんな伝承か
二枚舌を使うという言い回しは誰でも知っているが、舌が本当に二枚ある人がいると言っても例え話としか受け取られない。ところが実際に、そうした少女が昭和二十五年に生まれ、少なくとも昭和三十六年の春までは生きていたという。広島県佐伯郡に住むこの少女の母親は、爆心地から二キロほどの所で原子爆弾の被害を受けた人だったと伝わる。
原典より
だがじっさいに日本にはそんな不幸な少女が昭和二五年に生まれてすくなくとも昭和三六年の春までは生きている。—— 現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年))
『現代の迷信』は、今野圓輔が昭和三十六年に著した、現代の俗信を一般の読者に向けて説いた読み物である。昭和三十年代の新聞・雑誌の報道や聞き書きを主な材料に、縁起かつぎ、前兆・占い・禁忌・まじない・願掛け、憑きもの落としの殺人や新興宗教の騒ぎまでを全国から拾い集めている。「現状」「過誤と真実」「その背景」「迷信論」の四部から成り、巻末に読者の問いに答える迷信身の上相談を付ける。