大徳寺の三重の隠し部屋
どんな伝承か
牛沢の牛沢山大徳寺には隠し部屋がある。庫裡の入口を入ると広い土間があり、その奥が茶の間、さらに奥が住職の居間兼寝室である眠蔵と続くが、眠蔵北側の押し込みの右端の戸を開けると梯子段が現れる。布団を折り重ねて隠せば普通の押し入れとしか見えない。梯子を上ると第一の隠し部屋で、裏の非常梯子から寺裏の林へ逃げられる。部屋の東北隅の回し戸を開ければさらに梯子段があり、上れば三階の第二の隠し部屋で、屋根裏づたいに本堂へも抜けられた。眠蔵裏の廊下の板をずらせば地下室にも入れる。女を隠すためではなく、岡引に追われた博徒などを一時かくまうために造られたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
会津坂下町史 1(民俗編)――伝説(会津坂下町(編・山口弥一郎ほか)・会津坂下町史)
『会津坂下町史 1(民俗編)――伝説』は、会津坂下町の町史民俗編のうち、第二十章「伝説」を収めたものである。高寺山の黄金千杯、佐原・栗村の水田開発、交通路、空也・徳一、神仏、地名、雨ごい、狐、笑い話・逸話、妖怪変化、部落の起源、人物にまつわる町内の伝説を集める。冒頭で伝説の意義と自然・歴史・信仰の三分類を述べ、主題別の節に分けた各話の末尾に話者と、井関敬嗣・薄嘉明ら執筆者の名を記す。