盗まれて姉妹となった不動尊
どんな伝承か
むかし上開津の不動堂は破れ堂で、子どもの遊び場であり乞食の泊り場でもあった。ある夜たちのよくない乞食が泊り、本尊の不動を盗んで南へ逃げたが、途中で像がたいそう重くなり、こんな古仏では金にもなるまいと道ばたの草の中へ投げ捨てて立ち去った。その朝早く両堂の嫁が草刈りに出て、鎌の先が何かに当たるのでよく見ると不動の木像が倒れていた。村人はこれを持ち帰り、堂を建てて祭ったところ参詣者が増えた。上開津の村役人が返却を求めたが、天から授かった不動だからと断られた。以来上開津では、両堂の不動は妹分でわが村の不動が姉であると伝えている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
会津坂下町史 1(民俗編)――伝説(会津坂下町(編・山口弥一郎ほか)・会津坂下町史・自治体史(民俗))
福島県会津坂下町の自然伝説・歴史的伝説・信仰伝説を網羅する。