殿様が臨終に望んだ和泉の清水
どんな伝承か
和泉の梁場は、むかし殿様がたびたび遊びに来られたところなので、ここをおやなと呼んだ。殿様が来られるたびに清水端の水を沸かして茶を差し上げていたが、そのお茶がとてもおいしかったので、殿様は清水端の水で沸かした茶が大好物であった。殿様が臨終の際、和泉の清水を飲みたいと言われたので、家来が早馬でこの水を取りに来たそうである。それ以来この清水を殿様の最後の水と呼び伝えている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
会津坂下町史 1(民俗編)――伝説(会津坂下町(編・山口弥一郎ほか)・会津坂下町史)
『会津坂下町史 1(民俗編)――伝説』は、会津坂下町の町史民俗編のうち、第二十章「伝説」を収めたものである。高寺山の黄金千杯、佐原・栗村の水田開発、交通路、空也・徳一、神仏、地名、雨ごい、狐、笑い話・逸話、妖怪変化、部落の起源、人物にまつわる町内の伝説を集める。冒頭で伝説の意義と自然・歴史・信仰の三分類を述べ、主題別の節に分けた各話の末尾に話者と、井関敬嗣・薄嘉明ら執筆者の名を記す。