白鬚の水と流れついた亀の松
どんな伝承か
天文五年六月二十八日の大洪水は白鬚の水と呼ばれる。大水になる少し前、白ひげの老人が棟木のような材木に乗り、今に大洪水になるぞ早く逃げろと連呼しながら川を流れ下ったからだという。水は一週間も引かず、引いてみれば新たに大川ができ、鶴沼川は細い流れとなっていた。干上がった石河原のやや高い所に大きな亀が流れ着いて倒れていたのを里人が見つけ、あわれんで厚く葬り、その上に松を植えて大亀松と名づけた。それがなまっておかめ松になったという。松は枝ぶりのよい名木となったが、大正四年八月二十三日、福原の耕地整理の際に金上小学校の校庭へ移植された。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
会津坂下町史 1(民俗編)――伝説(会津坂下町(編・山口弥一郎ほか)・会津坂下町史)
『会津坂下町史 1(民俗編)――伝説』は、会津坂下町の町史民俗編のうち、第二十章「伝説」を収めたものである。高寺山の黄金千杯、佐原・栗村の水田開発、交通路、空也・徳一、神仏、地名、雨ごい、狐、笑い話・逸話、妖怪変化、部落の起源、人物にまつわる町内の伝説を集める。冒頭で伝説の意義と自然・歴史・信仰の三分類を述べ、主題別の節に分けた各話の末尾に話者と、井関敬嗣・薄嘉明ら執筆者の名を記す。