魚の目方を見抜く赤ひげの名人
どんな伝承か
坂下町の新町に、魚とりの名人で通称亀太という男がいた。一年中せっしょうをしており、わざわざ蓄えたのではなく無精ひげが伸びた赤ひげを生やしていた。道具はすだれと長樽とハケゴぐらいのもので、目的地に着くとまず川端で一服しながら堀をよく見つめる。すると、これから取る魚の目方が、どじょうが何百匁、なまずが何百匁と頭に浮かんだという。多くはかいぼしで、堀の上下を土くれで止めて水を汲み上げ、泥の中のどじょうまで一匹残らず取った。水の深い川ではガマにもぐり、両手と口で三匹も四匹も同時に取ってきたという。今も坂下では魚とりの上手な人を亀太と呼ぶ。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
会津坂下町史 1(民俗編)――伝説(会津坂下町(編・山口弥一郎ほか)・会津坂下町史・自治体史(民俗))
福島県会津坂下町の自然伝説・歴史的伝説・信仰伝説を網羅する。