主の言葉を裏切る勘兵衛馬
どんな伝承か
むかし青木に勘兵衛という駄賃取りがいた。たいそう丈夫で利口な馬を飼い、その背に荷を積んで坂下と喜多方の間を往復して暮らしを立てていた。ところがこの馬は利口すぎて人の言葉を解するようになった。勘兵衛が家の者に、明日の朝は坂下に行って荷をつけてくると話し、翌朝馬を引き出そうとすると、北の喜多方を向いたきり押しても引いても動かない。その日は仕方なく休み、夜になって明日は喜多方へ荷を運ぼうと家人に話して寝ると、翌朝は南の坂下を向いたきり動かない。さすがの勘兵衛も愛想が尽きて売ってしまい、以来この地方では人の言うことを聞かない男を勘兵衛馬と呼ぶという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
会津坂下町史 1(民俗編)――伝説(会津坂下町(編・山口弥一郎ほか)・会津坂下町史・自治体史(民俗))
福島県会津坂下町の自然伝説・歴史的伝説・信仰伝説を網羅する。