納豆沢の大蛇バカ太郎
どんな伝承か
七折峠を半ばまで下った南側の沢を納豆沢という。この沢は和泉の領分で、南へ進むと西側は柳津分、東側は牛沢・大村・勝方などの領分となり、延長六キロに及ぶ。この納豆沢に通称バカ太郎と呼ぶ黒い大蛇がすむと伝わる。人に危害は加えないが、草刈りを終えた婦人が刈草を体に結びつけたところ枯松葉が落ちてきて、見上げると松の枝に一升樽ほどの頭をさげた蛇が赤い舌を出していた。柴を積んだ馬を引く男は、崖から小石が落ち続けるのを不審に思い、崖を伝う大蛇に気づいて逃げ帰った。船窪の鈴木菓子という娘は、父母と腰かけた松の木が動き出し、それがバカ太郎であったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
会津坂下町史 1(民俗編)――伝説(会津坂下町(編・山口弥一郎ほか)・会津坂下町史)
『会津坂下町史 1(民俗編)――伝説』は、会津坂下町の町史民俗編のうち、第二十章「伝説」を収めたものである。高寺山の黄金千杯、佐原・栗村の水田開発、交通路、空也・徳一、神仏、地名、雨ごい、狐、笑い話・逸話、妖怪変化、部落の起源、人物にまつわる町内の伝説を集める。冒頭で伝説の意義と自然・歴史・信仰の三分類を述べ、主題別の節に分けた各話の末尾に話者と、井関敬嗣・薄嘉明ら執筆者の名を記す。