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阿賀野川を泳ぎ渡った薬屋の嫁

所在地福島県河沼郡会津坂下町(広木薬局)
年代伝承
登場男まさりの嫁、斎藤良彦、井関敬嗣、話者、記録者
出典会津坂下町史 1(民俗編)――伝説

どんな伝承か

広木薬局の数代前の婦人は、舟岡の斎藤家から嫁いだ美人で、気性のすぐれた男まさりの女であった。子が二人になって里帰りする時、一人を歩かせ一人を背負い、新館から八日沢を通り宇内に出て、津尻の村南から西に折れ、真機の南方から阿賀野川の湾曲部を回り、長井を通って舟岡村の対岸まで歩いた。そこは舟渡し場だが船頭は対岸に住み、いくら呼んでも川波に消えて出てこないことがあった。嫁は子を草に寝かせて着物を脱ぎ、裸で川に飛び込んで抜手を切って泳ぎ渡り、つないである舟の綱を解いて漕ぎ寄せ、子と土産を乗せて渡ったという。のち実家から熊の胃を持ち帰って売り、薬屋として繁盛した。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

会津坂下町史 1(民俗編)――伝説(会津坂下町(編・山口弥一郎ほか)・会津坂下町史)

『会津坂下町史 1(民俗編)――伝説』は、会津坂下町の町史民俗編のうち、第二十章「伝説」を収めたものである。高寺山の黄金千杯、佐原・栗村の水田開発、交通路、空也・徳一、神仏、地名、雨ごい、狐、笑い話・逸話、妖怪変化、部落の起源、人物にまつわる町内の伝説を集める。冒頭で伝説の意義と自然・歴史・信仰の三分類を述べ、主題別の節に分けた各話の末尾に話者と、井関敬嗣・薄嘉明ら執筆者の名を記す。

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