小昼を消したうそつきまんざ太
どんな伝承か
古坂下の二葉町あたりに、通称まんざ太といううそつきの名人がいた。子どものころからうそが上手で有名であった。十歳前後のころ新館へ使いに出され、田植えをしていた顔見知りからうそを一つついて行けと言われたが、今はさつきだからと答えて通り過ぎた。そして新館のその家に立ち寄り、留守居の家人に、旦那が田で気づかず持ってきた銭を届けるよう頼まれたと自分の百文を渡し、さらに今日は政所の親類へ早乙女を連れて手伝いに行き小昼をたくさん持って行ったから、家からの小昼はいらず昼飯をたんと炊けと言伝てされたと告げた。小昼が届かず怒って帰った主人に、まんざ太は、うそをついてみろと言われたからついたまでだと答えた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
会津坂下町史 1(民俗編)――伝説(会津坂下町(編・山口弥一郎ほか)・会津坂下町史)
『会津坂下町史 1(民俗編)――伝説』は、会津坂下町の町史民俗編のうち、第二十章「伝説」を収めたものである。高寺山の黄金千杯、佐原・栗村の水田開発、交通路、空也・徳一、神仏、地名、雨ごい、狐、笑い話・逸話、妖怪変化、部落の起源、人物にまつわる町内の伝説を集める。冒頭で伝説の意義と自然・歴史・信仰の三分類を述べ、主題別の節に分けた各話の末尾に話者と、井関敬嗣・薄嘉明ら執筆者の名を記す。