大沼を追ってきた浮島のなまず
どんな伝承か
この地方には社殿を中心に四方に四十八の沼が散在していたといい、四十八カ瀬権現の名が起こり、それが四十八ヶ瀬神社となり、さらに広瀬神社となったという。沼の群れは明治末期の耕地整理でほとんど埋め立てられ、今は境内に大沼・目薬沼・馬沼・婆沼・カマ沼の五つが残る。大沼は名の通り一番大きく魚が多く、とくに浮島があるので有名である。ある時、村の喜八という男がこの沼で釣りをしたがいつもと違って糸を引かない。じっと待っているとすばらしい手ごたえがあり、たぐり寄せようとしたら、沼のまん中の小島が両側に白波を立て、大口をあけたなまずの化物のように迫ってきた。喜八は竿を捨てて逃げ帰った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
会津坂下町史 1(民俗編)――伝説(会津坂下町(編・山口弥一郎ほか)・会津坂下町史・自治体史(民俗))
福島県会津坂下町の自然伝説・歴史的伝説・信仰伝説を網羅する。