鬼を封じたという千曳の石
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どんな伝承か
陸奥の国上北郡、坪村の千曳の石は別名を壺の石碑といい、古歌などによってもかなり有名である。口碑では鬼垣にとてこの石を建てたと伝え、すなわち境界の石、封じの石、魔除けの標示だという。『東遊雑記』には千曳社の神主教岩坊の談として、神代のときに石の札を立て、その石を限りに北方の国から渡り来る鬼を追い返そうとしたが、悪鬼が来てその石を土中深く隠したので、神たちが集まって探し出した、その石の建った所が坪村であったと記す。のちに坂上田村麿が来て鬼を残りなく殺したため、石は無用としてここに埋め、上に社を建てた。坪村からここまで数千人で引いたので千曳大明神という。
原典より
野辺地村に千曳神社あり、古老伝云往古此辺に碑あり、甚だ大なる石なりければ土人新墾に不便とて、かの石碑を引退かむとするに多人して引たれども得動かざりき。—— 佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・大正・昭和(東北民俗)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・大正・昭和(東北民俗))
『遠野物語』の語り手・佐々木喜善が大正昭和期に郷里岩手で採集した東北の昔話・伝説の集成。冒頭の『奥州のザシキワラシの話』では、旧家の座敷に出没し家の盛衰を司るザシキワラシの諸相を集める。『江刺郡昔話』『紫波郡昔話』に続き、『東奥異聞』では不思議な縁女の話・黄金の牛・磐司磐三郎・千曳石・赤子抱き・偽汽車など奇譚を収める。
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東北町の伝承
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