藁一本を千両に換え蜂に教わる婿
どんな伝承か
娘三人の家が婿探しの高札を立てた。名乗り出た男たちは裏の森の御堂の掃除を命じられて帰らなかったが、三人目の男は霧が立つたびに握飯を半分ずつ投げてやり、掃除を終えて戻った。次に打藁一本を千両に売れと言われ、藁を朴の葉に、朴の葉を三年味噌に、味噌を病の旦那への礼の千両箱に換えて帰った。さらに唐竹の数を問われると、蜂が飛んで来て三万三千三百三十三本と唸って教え、数えるとそのとおりだった。最後に三人の娘の見分けも蜂が中の娘だと教え、男は婿となった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))
『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。