鉄の棒で立ち上がった力太郎
どんな伝承か
十五になるまで嬰児籠から出ず口も利かなかった子が、突然、目方百貫目の鉄の棒を買えと言い出した。父が鍛冶に注文して村人百人で運ばせると、子はそれを杖に立ち上がり、六尺の大男となって力太郎と名づけられた。力試しの旅に出た力太郎は、大石を転がす石子太郎と御堂を頭に乗せた御堂太郎を投げ伏せて家来にした。三人が着いた千軒の町では化物が人を取って食っており、その夜に食われる番の娘の家で待ち構え、力太郎が化物を退治した。三人はそれぞれ妻を得てその町に住み、力太郎は殿様となった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))
『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。