餅で強くなった家の鼠の相撲
どんな伝承か
貧しい爺と婆がいた。爺が山へ柴刈りに行くと、デンカショという掛け声がするので行ってみると、痩せた鼠と肥えた鼠が相撲を取っていた。痩せた方は自分の家の鼠、肥えた方は長者の家の鼠で、いつも投げられているのが哀れで、婆と餅を搗いて食わせた。次の日は勝負がつかず、長者の鼠が強くなった訳を尋ねると餅だと言う。銭を持って来れば馳走すると言われた長者の鼠は金を運んで来た。爺は赤い褌まで揃えてやり、鼠から貰った金で大金持ちになった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・大正・昭和(東北民俗))
『遠野物語』の語り手・佐々木喜善が大正昭和期に郷里岩手で採集した東北の昔話・伝説の集成。冒頭の『奥州のザシキワラシの話』では、旧家の座敷に出没し家の盛衰を司るザシキワラシの諸相を集める。『江刺郡昔話』『紫波郡昔話』に続き、『東奥異聞』では不思議な縁女の話・黄金の牛・磐司磐三郎・千曳石・赤子抱き・偽汽車など奇譚を収める。