廻国雑記にうたわれた鵜川の紅葉
どんな伝承か
文明年間に道興准后が著した紀行『廻国雑記』に、筑波を過ぎて鵜川という所へ来ると紅葉が盛りだったので、立ち寄って歌を詠んだという一節がある。その歌は、鵜飼いの川の篝火を紅葉が照り返し、瀬を渡る秋風に水の冷たさが身にしみる、という趣のものである。野口如月の『北相馬郡志』によれば、この鵜川とは利根川べりの布川のことだろうといわれている。布川の古い名を伝える話として、町の伝説の中に収められている。
原典より
この鵜川は、布川のことだろうといわれている。—— 利根町史 第4巻(通史・民俗編)――民話と伝説(利根町(編)・利根町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
利根町史 第4巻(通史・民俗編)――民話と伝説(利根町(編)・利根町史)
『利根町史 第4巻(通史・民俗編)――民話と伝説』は、利根町が編んだ町史の一巻で、第一章を「民話と伝説」にあてる。町内を歩いて聞き集めた話と『北相馬郡志』などから引いた話を収め、大平権現や布川の地蔵の由来、バッソンの笑い話、大蛇・河童・むじなやキツネに化かされた話、押付新田の鶴殺し事件などを載せる。伝説と昔話に分けず文・布川・文間・東文間の地区ごとに節を立て、各話の題に伝承地を添え、話者名や方言の語釈を注記する。