板切れ・布切れに人の顔
どんな伝承か
人の顔が浮かんだという二つの話。ある寺では霊園造成のために境内の古い榧の大木を切り、その材を後に小縁に使ったところ、しみがしだいに広がって人の顔のようになった。人々は先代住職の顔だと言い、住職は寺の守りとして供養していくと語った。板の裏には誰とも知れない女性の顔も浮かんでいたという。また、ある家の位牌の下に掛けた白布に顔が見えると相談された僧が見に行くと、老人と赤ん坊の顔が現れ、布を替えると着物の娘も加わった。戸籍を調べて供養されていない故人を弔うと、顔は見えなくなった。
原典より
そのしみはいつまでも無くならず、段々大きくなって人の顔のように見えてきました。—— 取手市史 民俗編2――将門伝説・怪異(取手市(編)・取手市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
取手市史 民俗編2――将門伝説・怪異(取手市(編)・取手市史)
『取手市史 民俗編2――将門伝説・怪異』は、取手市の市史民俗編のうち、俗信の箇条の末尾に続く第四節「伝説」・第五節「不思議な話」・第六節「祟り」を収めた部分である。市内各地区での聞き取りを話し言葉のまま書き起こし、長い四話は『取手町郷土史資料集 第一集』から抜粋する。将門と桔梗御前の伝説、地蔵・社寺・樹木の伝説、狐やムジナ・化け猫・幽霊・タマセの話に続き、忌田や祟り山の話を所有者名と地区を伏せて載せる。