灯明を消された浜見塚の悲恋
どんな伝承か
那加の新加納には浜見町という小字があり、もとは浜見塚と呼ばれた所である。昔、犬山の娘と赤坂の若者が恋仲になり、男は人目を避けて月のない晩を選び、月に一度だけ舟で娘のもとへ通った。目印は浜見塚にともる灯明だった。二人の仲をねたんだ近所の性悪な男が、ある晩その火を消してしまう。灯が見えない男は娘の心変わりを疑い、娘もまた男が心を移したと思い込んで恨み、水に身を投げた。この話から、その土地は浜見と名付けられたという。今の浜見塚は木曽川の流れから遠く離れている。
原典より
一方、娘のほうも灯明の火が消えているので男が心変わりしたと思いこみ、男を恨んで水に身を投げました。—— 各務原市史 民俗編――地名伝説(各務原市(編)・各務原市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
各務原市史 民俗編――地名伝説(各務原市(編)・各務原市史)
『各務原市史 民俗編――地名伝説』は、各務原市が編んだ市史の民俗編のうち、地名伝説を述べた部分である。小字や俗称の起こりを語る話を、那加・稲羽・鵜沼・蘇原の四地区ごとに集め、浜見塚、与三郎池、甚六屋敷、片葉屋敷、金縄塚、嫁ふり坂、立岩と二つ岩、火の玉橋などを取り上げる。民話の語りを「」で引いたうえで、話の要素や他地方の類話、その土地の今の姿を書き添える。