口を滑らせた娘と人柱にされた父
どんな伝承か
むかし、川に橋を架けても架けてもすぐに流されてしまった。ある人が村人に、襠なし袴をはいて橋を渡る男を生き埋めにして橋を架ければ絶対に流されないと言ったところ、それを聞いていた娘が、うちのおとっつぁんが襠なし袴をはいて今ちょうど橋を通っているかもしれないと口をすべらせた。村人たちはすぐに走って行って娘の父親を捕まえ、生き埋めにしてしまった。娘は、私が言わなければこういうことにはならなかったのにと嘆いたという。
原典より
そしたら、すぐに村の人達がとんでいってその娘の父親をつかまえて生き埋めにしてしまったんだって。—— 壬生町史 民俗編――伝説(壬生町(編)・壬生町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
壬生町史 民俗編――伝説(壬生町(編)・壬生町史)
『壬生町史 民俗編――伝説』は、壬生町史民俗編のうち昔話と伝説の章を収めたものである。町史編さんの調査で町内の古老から集めた昔話を方言を生かして再話し、話者名を添えて動物昔話・完形昔話・笑い話・世間話に分けて並べる。伝説は吉次の墓・親抱きの松・大御堂などを動植物・歴史上の人物・塚と渕・神仏・地名に分け、地元の伝承に『郷土誌』『壬生領史略』などの文献からの引用を交えて載せ、一部の話に解説を付す。