機を織る姿を見られた鶴女房
どんな伝承か
むかし、貧しい暮らしをしていた男がいた。ある日、田んぼで足を折った鶴を助けて家へ連れ帰り、治してやって放した。すると鶴は女に化けて男の所へ来て女房になった。女房は機を織っていい反物を織って売ったが、自分が機を織る所をのぞくなと言っていた。ある時、旦那がどういうことかとのぞくと、鶴が嘴で自分の羽根を取って機を織っていた。女房は、正体を見られたのではこうしてはいられないと言い、絞りかけの機を置いて去っていったという。
原典より
ある時、ダンナはどういうことかとのぞいたら鶴がクチバシで羽根を取って機織っていたって。—— 壬生町史 民俗編――伝説(壬生町(編)・壬生町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
壬生町史 民俗編――伝説(壬生町(編)・壬生町史)
『壬生町史 民俗編――伝説』は、壬生町史民俗編のうち昔話と伝説の章を収めたものである。町史編さんの調査で町内の古老から集めた昔話を方言を生かして再話し、話者名を添えて動物昔話・完形昔話・笑い話・世間話に分けて並べる。伝説は吉次の墓・親抱きの松・大御堂などを動植物・歴史上の人物・塚と渕・神仏・地名に分け、地元の伝承に『郷土誌』『壬生領史略』などの文献からの引用を交えて載せ、一部の話に解説を付す。