朝茶一杯で追いはぎを逃れた旅人
どんな伝承か
むかし、ある旅籠屋に二人の旅人が泊まった。次の朝、一人は早く旅籠を出ていき、もう一人は旅籠屋の主人に無理にお茶を飲まされてから出発した。ところが先に出た旅人は途中で追いはぎに出くわし、身ぐるみ取られて丸裸にされてしまった。後から行った旅人は、お茶を一杯飲んでいったおかげで追いはぎに出合わなかったという。だから昔の人は、朝茶はその日の難逃れといって、何でもかんでも朝の出がけにお茶を飲んでいくものだと言っていた。
原典より
後から行った旅人は、お茶一杯飲んでいったお陰で追いはぎに出合わなかったって話だ。—— 壬生町史 民俗編――伝説(壬生町(編)・壬生町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
壬生町史 民俗編――伝説(壬生町(編)・壬生町史)
『壬生町史 民俗編――伝説』は、壬生町史民俗編のうち昔話と伝説の章を収めたものである。町史編さんの調査で町内の古老から集めた昔話を方言を生かして再話し、話者名を添えて動物昔話・完形昔話・笑い話・世間話に分けて並べる。伝説は吉次の墓・親抱きの松・大御堂などを動植物・歴史上の人物・塚と渕・神仏・地名に分け、地元の伝承に『郷土誌』『壬生領史略』などの文献からの引用を交えて載せ、一部の話に解説を付す。