逆さに吊った江戸土産の蚊帳
どんな伝承か
山奥に住む人が江戸見物に出かけ、泊まった宿屋で初めて蚊帳を吊ってもらって寝た。それがよほど珍しかったのか土産に買って帰ったが、吊り方がわからず上下を逆さにして吊ってしまった。入り口がどこにも見当たらないので、梯子を掛けて上から中へ飛び込んだという。よく知られた笑い話で、昭和の初めにはやったノンキ節にも、座敷の真ん中に逆さに吊られた天井のない底のある蚊帳として歌い込まれている。
原典より
入るところがないのでハシゴかけて飛びこんだって話だ。—— 壬生町史 民俗編――伝説(壬生町(編)・壬生町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
壬生町史 民俗編――伝説(壬生町(編)・壬生町史)
『壬生町史 民俗編――伝説』は、壬生町史民俗編のうち昔話と伝説の章を収めたものである。町史編さんの調査で町内の古老から集めた昔話を方言を生かして再話し、話者名を添えて動物昔話・完形昔話・笑い話・世間話に分けて並べる。伝説は吉次の墓・親抱きの松・大御堂などを動植物・歴史上の人物・塚と渕・神仏・地名に分け、地元の伝承に『郷土誌』『壬生領史略』などの文献からの引用を交えて載せ、一部の話に解説を付す。