六所の森に祀られた麻疹不動
どんな伝承か
取手市小文間の麻疹不動は、もとは小文間から六郷村渋沼へ通じる田んぼの中にあり、その跡には今も石の祠が残る。堂は正保元年、小文間の名工寺田倉右衛門と斎藤新兵衛が棟梁となって建てた四間四面の大きなもので、周囲を老松が囲み「六所の森」と呼ばれて昼も暗い。本尊は慈覚大師の一刀三体の作といい、麻疹の難を除くとして遠近から参詣者が絶えない。像の腹の中には寛永七年九月八日付の秘文が納められ、仏師の名も記されている。この不動はもと中村安左衛門家の氏神で、一族七家が支えており、毎年十月二十八日には中村一族が集まって護摩を焚く習わしだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
相馬伝説集(寺田喜久(狂花)・相馬郷土研究・1922年(大正11年))
『相馬伝説集』は、寺田狂花が著し、大正十一年二月の自序を付した下総相馬地方の伝説集である。北相馬郡の小文間・布川・取手・守谷などを中心に、平将門や一色宮内にまつわる伝承、寺社の縁起、城址や墓碑、相馬霊場の札所を記し、猿島郡・結城郡・東葛飾郡などの伝説にも及ぶ。巻頭に緒言と坂巻湖舟の序・自序を置き、「△」を付けた小項目を土地ごとに並べ、『相馬日記』『下総旧事考』などの記事を引き、相馬の俗信も書き留めている。