雨乞いに舞う成就院の雨獅子
どんな伝承か
取手市小文間の字四方にある成就院には、弘法大師の作と伝える青く塗った三体の獅子頭があり、大獅子・中獅子・女獅子と呼ばれる。姿は獅子というより龍に近く、日照りのときにこれを出せば必ず雨が降るといい、先年の雨乞いの折には警察の指示で「雨龍」と改名された。雨乞いのときは組内の若者が利根川へ行ってこの獅子をかぶって舞う。舞う場所には四方に幕を張り、中で笛や太鼓を鳴らし、七日七夜のうちには必ず雨が降るという。もとは四体あったが、利根川で雨乞いをしていたとき女獅子の一つが逃げ出し、千葉県の神崎明神の下の渦に消えてしまったと語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
相馬伝説集(寺田喜久(狂花)・相馬郷土研究・1922年(大正11年))
『相馬伝説集』は、寺田狂花が著し、大正十一年二月の自序を付した下総相馬地方の伝説集である。北相馬郡の小文間・布川・取手・守谷などを中心に、平将門や一色宮内にまつわる伝承、寺社の縁起、城址や墓碑、相馬霊場の札所を記し、猿島郡・結城郡・東葛飾郡などの伝説にも及ぶ。巻頭に緒言と坂巻湖舟の序・自序を置き、「△」を付けた小項目を土地ごとに並べ、『相馬日記』『下総旧事考』などの記事を引き、相馬の俗信も書き留めている。