作れば死ぬというおそめ田の祟り
どんな伝承か
昔、取手市小文間の中妻におそめという女がいた。人一倍働き者で、人並みの食事もとらずに倹約し、ようやく六、七反の田畑を手に入れた。ある日、放蕩者の男がその田地を奪おうと企み、おそめと情を通じたうえで田地を横領して逃げてしまった。気づいたおそめはどうにもならず、気が触れて毎日田を歩き回りながら祈り、ついに狂い死にした。それ以来、この田地を買ったり耕したりする者は必ず死ぬといわれ、今では誰も作る人がいなくなったと伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
相馬伝説集(寺田喜久(狂花)・相馬郷土研究・1922年(大正11年))
『相馬伝説集』は、寺田狂花が著し、大正十一年二月の自序を付した下総相馬地方の伝説集である。北相馬郡の小文間・布川・取手・守谷などを中心に、平将門や一色宮内にまつわる伝承、寺社の縁起、城址や墓碑、相馬霊場の札所を記し、猿島郡・結城郡・東葛飾郡などの伝説にも及ぶ。巻頭に緒言と坂巻湖舟の序・自序を置き、「△」を付けた小項目を土地ごとに並べ、『相馬日記』『下総旧事考』などの記事を引き、相馬の俗信も書き留めている。