観音堂から白馬で出た三つ首の怪人
どんな伝承か
観音堂の隣に住む岡田庄右衛門(当時八十五歳)の語るところでは、弘化三年五月十八日、岡田奥右衛門と観音の庭で遊んでいたとき、三つの首のある人が白馬に乗って堂から出てきた。二人が見て騒ぐうちに、その人は東の方へ駆け去って姿が見えなくなった。不思議に思って通りがかりの人に話し、一緒に調べると馬の足跡が二十ほど見つかった。あまりに不思議なので堂へ行ってみると、閉めてあったはずの扉が三尺ほど開いていて、奇異の思いをしたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
相馬伝説集(寺田喜久(狂花)・相馬郷土研究・1922年(大正11年))
『相馬伝説集』は、寺田狂花が著し、大正十一年二月の自序を付した下総相馬地方の伝説集である。北相馬郡の小文間・布川・取手・守谷などを中心に、平将門や一色宮内にまつわる伝承、寺社の縁起、城址や墓碑、相馬霊場の札所を記し、猿島郡・結城郡・東葛飾郡などの伝説にも及ぶ。巻頭に緒言と坂巻湖舟の序・自序を置き、「△」を付けた小項目を土地ごとに並べ、『相馬日記』『下総旧事考』などの記事を引き、相馬の俗信も書き留めている。